宅録でもライブでも実力確かなVOX MV50使用レビュー
今回の記事は、超小型ヘッドアンプで評判の良い【VOX MV50 CLEAN】のレビューを、2年ほど自宅でもライブでも引き倒した経験からお話していこうと思います。
正直、このアンプはみんな絶対に買った方がいい!と思います。
この値段でこのサイズでこの音質は驚異的です!
音量ってどうなの?エフェクターとの相性は?真空管と比較してどう?この辺りの気になるポイントを書ければなと思っています!
今回も長い文章になってしまったので、目次を活用していただいたり、ブックマークに追加するなどしいてゆっくり読んでいただけると嬉しいです!
VOX MV50 CLEAN
2017年ぐらいでしたか?このアンプが発売されて本当に驚きました!
NutubeというKORGとノリタケ伊勢電子という会社が共同開発したとされる、新真空管を搭載した超小型ヘッドアンプです。
僕はすぐに買いました!
当時、小さい(キャパ50~100人ぐらい)ライブ会場を回るツアーをよく回っていたのですが
何か所も回るツアーで、いくつかの会場ではギターアンプがお借りできないという事がありました。
そういった場合は、現地のコーディネーターの方が手配してくれるのですが
当日行ってみて、コーディネーターさんが手配してくれたアンプの音が良いとはかぎらないじゃないですか??
この辺りのストレスをどうにかして改善できないか?
手軽に持ち運びできるアンプシステムは組めないかな?
って思っていたのです。
色々試していたのですが、このVOX MV50 CLEANを購入してから、上記のようなケースでのツアーは本当に音に対してストレスが無くなりました!
大きさ
多くの方が、このアンプを楽器屋さんで一度は目にしたことがあると思います。
ですので、サイズ感を僕がここで書くのも意味がない気もしますが、とにかくこのアンプの最大の魅力がこの大きさだと思うのです。
BOSSなどの一般的なエフェクターより少し大きいぐらいで、ギターケースのポケットに簡単に入りますし、エフェクターボードに組み込めるほどのサイズ感です。
ここがこのアンプを語る上で一番の基準になると思います。
大型のアンプと比較してもしょうがないですからね。
『このサイズ感でどこまで仕事してくれるんだ??』って
このサイズ感で最大50Wなのですから、多くの方が気になるところですよね!
キャビネットとセットで考えよう
もう一つ、このアンプを語るうえで頭に入れておきたいのがキャビネットのことです。
このアンプはヘッドアンプですので、当然キャビがないと音が出ません。
普通のコンボアンプ(アンプとスピーカーがセットになっている)は、アンプに対し最適化されたスピーカーを搭載しています。
また、このスピーカーを交換したりしてカスタマイズを楽しむ方も多いです。
しかし、ヘッドアンプはスピーカーキャビネットがないと音が出ませんので、組み合わせることになるのですが
この組み合わせによって、実際に出てくる音の印象は大きく変わってきます。
ですので、キャビネットを無視してこのアンプの音を語ることはできないと思います。
VOX BC108
これがこのアンプの為にVOXが準備しているスピーカーキャビネットです。
8インチスピーカーを1つ搭載し、許容入力が25W、入力インピーダンスが8Ωです。
ここで詳しい方は『あれ?』?って思ったと思います。
そう!VOX MV50は名前にも数字が入っているように、出力が50Wあると言っているのですが、この専用キャビの許容入力は25Wしかないという事です。
どういうことかと言いますと、この専用キャビネットは2つ並べることを前提に設計されていて、多くの人が使っている1つでの使い方では、このアンプの能力が半減しています。
また、スピーカーが8インチですので、どうしても低音域の再現性は低くなってしまいます。
本当に、このアンプの実力を出したいのであれば、10インチか12インチのスピーカーで、許容入力は50W以上、入力インピーダンスは4Ω。
この条件が整った時に本来の力が発揮されます!
本来はこのくらいのキャビネットを準備しないとダメなんですよね。
サウンド
今回は、多くの方が気になっているであろうVOX MV50 CLEANとBC108という基本的な組み合わせでのレビューにしたいと思います。
まず、基本的なクリーンサウンドの話ですが
リバーブが付いていないので、ここは何かいいリバーブを繋ぎたいところです。
僕は先日記事を書いたJ ROCKETT AUDIO DESIGNSのBoingSpringReverbを繋いで使っています。
effectorboard555.hatenablog.com
しかし、センドリターンが無いので、この辺りは残念な点です。
まあ、このサイズ感に仕上げてきただけでポイントが高いので、我慢しなきゃいけない部分ですが、個人的には後記するecoモードはいらなかったので、センドリターンを付けてほしかったというのが本音です。
これが、その組み合わせで弾いた動画です。
VOX MV50 CLEANとBC108の組み合わせ、J ROCKETT AUDIO DESIGNSのBoingSpringReverb、BOSSのDD-7のアナログディレイを軽くかけています。
EQモードはDEEPにしてます。そして、iPhoneで不通に動画撮影しています。
やはり、キャビネットの影響もあり低音域のふくよかさはありませんが
真空管アンプの持つコンプレッション感や艶感は十分に味わえます。
このクオリティーが出てくれれば、十分に気持ちよさを感じれます。
EQモード
このアンプには背面にいくつかのスイッチが付いていて、その一つがEQモードの選択スイッチです。
FLATとDEEPの二種類から選択でき、FLATはスッキリした音像、DEEPはコンプレッション感も上がり低音までふくよかになる印象です。
これは、もしかしたら前記のキャビネットとの組み合わせで使うスイッチなのかもしれません。
というのも、BC108というキャビネットが8インチスピーカーですし、低音があまり出ないという特性から、DEEPモード一択だと思うのですが
もっと大きなスピーカーに繋いだ場合、FLATモードの方がスッキリするなという印象がありました。
ですので『FLATモード使えない!』っておっしゃっている方もいらっしゃいいますが、そこは早合点なのかな?と思っています。
音量
気になる音量ですが、このキャビネットとの組み合わせでも、音量はわりとでます。
先ほどの動画が、アッティネーターを1/10に設定してボリューム11時ぐらいに設定して弾いています。
自宅で弾く分には十分すぎる音量ですし、これ以上上げてしまうと苦情が来てしまいます。
また、ライブの時はアッティネーターをFULLに設定すれば、先ほど書いていた小さな会場でのライブには、マイキングなどしなくても十分使えます。
ドラムがいる場合なんかは、このキャビネットだとちょっときついですね。マイクを立てるか、もっと性能を伸ばせるキャビネットを使うべきです。
しかし、そのような環境を整えてあげれば、驚くほどの音量が出ますし、このアンプ本来の真空管のようなサウンドが出てきますので、本当に気持ちよく演奏できます。
エフェクターとの相性
気になるエフェクターとの相性ですが
空間系やモジュレーション系は、先ほどの動画にあるように問題なく気持ちよいサウンドになりますが
歪系ペダルは、少し工夫をしなければならないと思います。
というのも、やはりキャビネットが小さいので、歪の嫌なところが出るというか、ジャリジャリした高音域の部分が強調されてしまい、決して良い歪みサウンドとは言えません。
JC-120なんかを歪ませるようなサウンドになってしまいます。
ですので、高音域が出やすい歪ペダルとの組み合わせは避けたいです。
しかし、これもキャビネットを変えれば一発解決!!
大きなスピーカーに、出力50Wの本領を発揮させてあげれば、チューブスクリーマーでのプッシュでもしっかり真空管アンプ並みの粘りのある歪を出力してくれます。
この辺りは、マーシャルの小型真空管アンプでも、小音量では気持ちいい歪は出せませんし
ある程度の気持ちよい歪サウンドを求めるのでしたら、中~大型のアンプは必要という事ですよね。
ecoモード
最後に、エコモードですが、ある一定の時間音を出さなければ、自動的に電源をオフにするというモードが付いています。
ecoな時代ですから、このモードは家電などには本当にありがたい機能ですよね!
しかし、ギターアンプにいるかな??って思っちゃいます。
ライブの時は、確実にOFFにしておかないと大惨事が起きるのは言うまでもないのですが
自宅で弾いていて、アンプの電源をOFFにし忘れてっておっちょこちょいさんだけに必要な機能ですよね。
しかも、このスイッチが背面の電源の隣についているので、余計なトラブルの原因になると思います。
僕は、ライブで使う際は確実にOFFになっているか毎回確認しています。
まとめ
今回ご紹介したVOX MV50は本当にいい製品です。
このアンプがあれば移動は怖くないですし、キャビネットとの組み合わせをきちんと選べば本物の真空管アンプと同じ弾き心地を味わうことができます。
これから購入を検討されている方は、是非今回の記事を参考にしていただきたいですし
既に購入されている方は、キャビネットの組み合わせを変えてみていただきたいと思います。
この小型ボディで、この高音質!しっかりこのアンプを理解して、最高の状態でこの高性能アンプを楽しんでいただけたらと思います!
ではまた次回。
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