完全理解!モジュレーションエフェクターの特徴
今回の記事は、モジュレーション系のエフェクターを徹底的に解説いたします。
挿絵を入れているので、初心者の方にも分かりやすいと思います。
エフェクターの知識を深めるお手伝いが出来たらと思っています!!
《モジュレーション系エフェクターの基礎知識》
モジュレーションとは【転調・変調】などの意味を持つ言葉です。
変調させるエフェクター?エフェクターという装置が、原音を変調させる物ですから、考えてみると不思議な言葉ですよね?(笑)
ですので、定義は本当に難しく、様々な効果を生み出すエフェクターがこのペダル群に含まれ考えられています。
言葉の由来などは定かではないのですが、ギターの音色を歪ませずに変調させる、という試行錯誤の元開発されたエフェクターと僕は考えています。
このエフェクター群の(エフェクターという概念の)発想の元になっているのが【ロータリースピーカー】です。
1940年代にDonald Leslieによって開発されたスピーカーユニットで【レスリースピーカー】と呼ばれることもあります。
ハモンドオルガンとセットで使われ、高音域を出力するツイーターと低音域を出力するウーハーの2つのスピーカーを、それぞれ逆方向に回転させ出力させることにより《ドップラー効果》を引き起こすという装置です。
この2つのスピーカーの回転速度の変えることにより、様々な効果を生み出すことができます。
このロータリースピーカーのサウンドにヒントを得て開発されたギター用エフェクターは、多種多様様々な進化を辿ることになったのです。
◎フェイザー
フェイザーの正式名称は《フェイズシフター》と言います。
フェイズは位相という意味で、位相とは音楽用語では周波数の波の動きを表す言葉です。
2つの異なる振動状態を比較するのに使われる言葉で、同位相・逆位相などと使われます。
ギターのチューニングをしているときを思い出してみてください。
2弦の5フレットと1弦の開放を同時に弾くと、チューニングがずれている時には《音程の揺れ》を感じます。
2つの音の周波数が微妙に違うことで、位相のズレが起こっているのです。
フェイザーは、この位相のズレをシフト(移動)させることで起こる音の変化を具現化したエフェクターです。
ギターの音信号を2つに分岐し、片方の位相を0〜360度の間で移動させていきます。
この位相のずれた2つの信号が同時に存在することで《打ち消しと倍増》を繰り返すのです。
※この辺り詳しく書きすぎると膨大な量になるので割愛させてもらいます。
代表的なフェイザーペダルを下記で紹介しておくので、YouTubeなどで音を聞いてもらいたいなと思います!
『ショワー』という独特のサウンドです、初期のLarryCarltonは『オルガンのようなサウンドを狙って使っていた』と語っていました。
下に貼ってるMr.Childrenの動画の間奏明けに薄くフェイザーがかかってます!
《オススメのフェイザーペダル》
MXR Phase90
てかこれ持ってたら間違いない!壊れないし!使いやすいし!
フェイザーには位相をずらしたサウンドを複数重ねているのですが、重ねる回数が多ければよりエグい効果になります。
理論的には無限に重ねていけるのですが、4段構成のフェイザーが人気です。
このPhase90は4弾フェイザーの代表格です。
◎フランジャー
フェイザーは位相を緩やかに移動させることでその効果を生み出していました。
しかし、フランジャーはある意味力技!強制的にコントロールするのです。
2台のオープンリール式テープレコーダーを再生させ、その片方を指で触ると回転のスピードが強制的に遅くなります。
この時、2つの再生された音には位相のズレが生じることとなり、強烈な揺れ(揺れすぎて揺れと思わないぐらい)が発生します。
歪みペダルと併用するとそのサウンドは強烈で【ジェットサウンド】と表現されるジェット機エンジンの様な破壊力になります。
しかし、この個性的すぎる破壊力が仇となり、今ではほとんど耳にすることのないエフェクターになってしまいました。
個人的には、このエフェクターこそ最もギタリストのセンスが発揮されるペダルだと思います。
《オススメのフランジャーペダル》
MXR Flanger
上記の様に今ではほとんど耳にしなくなったフランジャー。
この分野を本気で追究するギタリストはそこまで多くはないはず。
しかし、ちょっと試してみたいな…そんなあなたはこのペダル!
薄い効果から激しい効果まで調整できるので使い勝手のいいペダルです。
オススメのペダル考えていて改めて思いますが、BOSSとMXRはすごいメーカーだなぁ。
◎コーラス
ヴォーカルのレコーディングのテクニックに【ダブリング】という手法があります。
Mr.Childrenの音源を聴くとほぼほぼ桜井さんが2人以上同時に歌っています。
同時に多くのヴォーカリストが歌うと、多くの位相が同時に存在することとなり心地よい揺らぎを生み出します。
Mr.Children 「innocent world」PV 高画質 高音質
歌いだしの出だしからずっと桜井さんが複数います!!
この効果を再現しているのがコーラスです。
もうその名のままですよね!(笑)
同時に多くのヴォーカリストが歌っている様な、音がぶつかり共鳴しあって震える様なハーモニーが生まれます。
原理的にはディレイと同じなのですが、僅かに遅れて同じ音(僅かに劣化した)が発音されることで2音間の位相のズレが起きるのです。
BBD素子による遅延を利用しているものをアナログコーラス、ICチップによりコピー・ピッチ変更・遅延を行なっているものをデジタルコーラスと呼びます。
アナログコーラスは、温かい音で位相の近さから音が大きくなることもあります。
デジタルコーラスは、より爽やかな効果が期待できますが、物によっては船酔いの様な現象を引き起こすものもあります。
このエフェクターを最も効果的に使うには、ステレオ環境で使用することです。
RolandのJazzChorus JC-120はステレオ出力により豊かなコーラスサウンドを実現しています。
※理想のエフェクターボードを組むシリーズの後半ではステレオ出力にも触れれたらなと考えています。
《オススメのコーラスペダル》
IBANEZ CSMINI
近年、人気のミニサイズペダルですが、とにかくさり気なく手軽にコーラスペダルが欲しい!って人にオススメです。
エグいものから爽やかなものまで個性豊かなコーラスですが、このペダルはさり気なく・軽く・高音質・安い!と無敵のペダルです。
ELECTRO-HARMONIX Small Clone
electro-harmonix エレクトロハーモニクス アナログコーラス Small Clone 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: ELECTRO-HARMONIX
- 発売日: 2014/06/13
- メディア: エレクトロニクス
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エグいコーラス欲しい!って方はとりあえずこれを試してみてください。
Depthにより幅広い音作りが可能ですので、一台持ってて損はないですし、名機と言われる所以がわかります。
◎トレモロ
トレモロと聞いてギタリストが真っ先に思い浮かべるのは、ストラトキャスターの【トレモロブリッジユニット】ですよね?
このネーミングがトレモロとヴィブラートという言葉に混乱を招く原因になっているのです。
1956年にFenderが発売したトレモロユニット搭載アンプは【Vibrolux】といい、ヴィブラートという言葉を使っているのです。
『逆やないかい!!』と言いたくなりますが、レオ・フェンダーは何か思惑があってこのネーミングにしたのでしょうか??
トレモロは、音量を大きくしたり小さくしたりし揺れを生み出す装置の名前です。
逆に、ヴィブラートは、音程を変えることにより揺れを演出する技の名前です。
ボリュームノブを素早く動かすとトレモロ効果が生まれます。
ヴィブラートに関しては、今ではストラトのトレモロユニットやビグズビーのヴィブラートユニットなど一般的ですが、昔はブリッジに電動モーターを取り付け、音程の揺れを起こすような装置もありました。
モジュレーション系ペダルの全てに言えることなのですが、揺れを生み出すエフェクター群ですので【船酔い】の様な現象を引き起こすことがあります。
個人的に、トレモロは最もこの効果が大きいと思っています。
かけすぎ注意!原音に緩やかな揺れを感じる程度に使うと気持ちのいいペダルです。
また、ヴォリュームが変化するペダルですので、相対的に存在感が落ちる傾向があります。
ですので、伴奏やカウンターラインなどのサポート的プレイにかけると良い効果を与えてくれます。
《オススメのトレモロペダル》
BOSS TR-2
このオススメのコーナーは、できるだけ一般的に手に入りやすい物の中からピックアップしようと考えています。
そう考えると、やはりBOSSですね。こうなっちゃいますよね。
レトロなトレモロを再現していて、カントリーとかやるのに無敵なペダルです。
僕は、このTR-2を元にモディファイされているJHSPedalsの製品を使用しています。
あと、多分生産終了しているのですが、MOOGのトレモロペダルはずっと愛用していて名機だと思います。
何か疑問があれば遠慮なくコメントをください。
『こういう記事を書いてほしい!』という要望などもあればコメントください。
ではまた次回。
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